タイ映画

【生き抜くには知恵がいる】映画『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』あらすじと感想

試験のカンニングで、こんなに手に汗握るとは!

タイで主要な映画賞を総なめにした映画『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』。

まったく動きのない「カンニング」行為を、飽きさせずスリル満点に描いた本作。

カンニングに手を染める学生たちと、喜んで賄賂をおこなう大人たちの違いはなにかを

じわりと問うてくる、爽快なクライム・エンターテイメントです!

© GDH 559 Co., Ltd.

あらすじ

小学校の頃よりオールAの成績をおさめるリン(チュティモン・ジョンジャルーンスックジン)。

海外での学びの機会を与えたい教師の父の希望により、新しい学校へ転校をする。

その際仲良くなったグレース(イッサヤー・ホースワン)が、成績により好きな演劇を続けられないかもしれないと相談をうける。

試験当日。リンは自分の消しゴムに解答を記し、後ろの席にすわるグレースに渡す。

この作戦が功を奏し、グレースは演劇を続けることができたが、後日思いがけないところから新たなオファーを受けることになる…

【感想】

実話をもとに着想していた!

これ映画のことを調べていてわかったのですが、実話ベースだったんですね!

実際に題材にしているのは、『ある国の学生たちが時差を使って別の国に行きカンニングをした』という、その事実だけです。

中国の不正入試事件が題材 集団カンニング描くタイ映画「バッド・ジーニアス」監督に聞く

映画.com    https://eiga.com/news/20180921/14/

というか、カンニングに時差を使うという発想が斬新w

 

ここまで考えられるのなら、勉強したほうが…と思ってしまったわけですが、

中国や韓国は、想像を絶する「超学歴社会」。

大学へ行けるか、またはどこの大学出身かで人生が決まってしまうので、

カンニングもしっかりとしたビジネスになってしまうわけですね。

 

ちなみに中国で実際にあった集団カンニングには、耳にいれる小型無線機や消しゴムを装った小窓付き受信機など、どこかの映画で見たようなものばかり。

それにくらべ、映画『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』でのカンニング方法は秀逸!の一言。

お金もかからず、しかもバレにくい。

ここまで考えられるのは、やっぱりリンが秀才だったからですね!

大人の不正はまかり通る

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友人グレースを助けるために、行ったたった一回のカンニングの手助け。

この手助けが、意図せずある人の耳に入ります。

 

それはグレースの彼氏・パット(ティーラドン・スパパンピンヨー)。

パットは絵に描いたようなお金持ちなんです。

そしてまた絵に描いたように、勉強がまったくダメなんです。

 

そこでグレースから、リンの手助けをきいたパットからも「手助け」をお願いされます。

しかし、今回は有償で。

しかも他にも5人ほど希望者がすでにいるというオマケ付き!w

一度はためらいも見せるリンですが、結局承諾をします。

 

そこにはキッカケがあります。

そう、大人たちのワイロという名の不正。

 

リンが新しい学校に入学する際、学校長との駆け引きで授業料全額と食事代の全額免除を手に入れます。

これは片親という家庭環境のなかで、レベルの高い学校へゆくためにリン自身が勝ち取った条件です。

 

しかしパットやグレースとの会話で、親たちがお金や設備投資という形で「ワイロ」が横行していることを知ります。

しかも、自分の父親も「お金」を提供しているとう事実。

 

父へ詰め寄るも、「ワイロではない。喜んでわたした。」と返答。

この出来事がリンをカンニング・ビジネスへ駆り立ててしまうのです。

向こう側へ落ちてしまった天才

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実は校内での集団カンニング・ビジネスは、あるもうひとりの天才によりあっさり明るみになります。

その名はバンク(チャーノン・サンティナトーンクン)。

 

彼も典型的な勉強できる子なのですが、リンと同じく母親とふたりで暮らしています。

こじんまりとしたクリーニング店を営んでいますが、設備をととのえるまでの資金はありません。

「また洗濯機がこわれた」と大きな桶で手洗いをする母親の背中は、なんともいえない感情がわいてきます…

 

このバンクは実直な天才であるがゆえに、リンのビジネスに参加していた学生をカンニング行為で摘発してしまいます。

ここでリンのビジネスは一旦終わりを迎えるですが…

実はこの失敗も、ただの失敗ではなくキチンと伏線になっておりました。

やっぱり、できる子は転んでもタダでは起きませんねw

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校内でのカンニング・ビジネスは終焉をむかえます。

しかしここで、友人グレースが新たな話を持ってくるんです!

それはアメリカの大学へ留学するための国際的な試験・STICでのカンニング行為。

ここでブログ冒頭ででてきた、「時差を利用したカンニング」プランが浮上するのです!

 

プランは実行可能なものの、成功させるには頭脳が2つ必要とふんだリン。

相棒にはあのバンクを選びます。

結論をすこし話すと、バンクはこのプランにのり2人はシドニーに乗り込むのですが。

 

実はここから、それぞれの運命が分かれ道になってしまうのです。

ひとりは明かりの差した道を歩むことになり、ひとりは暗闇の道を進む選択をします。

はたしてどちらの天才が向こう側へ落ちてしまうのでしょうか?

 

 

どんでん返し好きな方の間では、結構話題になっていた映画『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』。

たしか「大人を出し抜け!」みたいな、キャッチコピーも踊っていたような気がします。

 

ですがこの映画は、ただ自分たちの都合がいいように不正を正当化する大人たちへの復讐劇ではありません。

ままならない状況に育ち、それでも正しく評価されたい・評価されるはずだと思っている子どもたちから大人たちへの問いかけです。

 

ですがラストを考えると、いかなる状況でも最後は人間性なのかもしれませんね…

あぁ バンク可愛かったのに。(←そこ?w)

 

というこで。

今年6月から始めたこのブログ。

この映画が2019年最後の映画となり、このブログ最後の記事となります。

 

まともな文章なんてビジネス以外に書いたことない素人が

(ビジネス文書もまともなのか怪しい)

勝手にあれこれ書いているにもかかわらず、

リピーターさんがいらっしゃるようでびっくりです。

ありがたい限りです。

 

そしてたまたま寄ってくださった皆さん。

少しはお役に立てたでしょうか?

きっと役に立っていないと思いますが、

また機会がありましたら立ち寄って頂けると嬉しいです。

(え?もう来ない?)

 

大好きな映画によって、お会いしたこともない誰かと

何かしらを共有できるこの空間が大好きです。

 

2020年もジャンルを問わず、超大作は観ず、興味をそそられた映画だけをみてダラダラと感想を書いてゆきたいと思います。

 

それでは良いお年を!

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