Netflixオリジナル『事件現場から セシルホテル失踪事件』のネタバレあらすじをお送りします。
第一話は
- 今回の主人公エリサ・ラムの失踪までの足取り
- セシルホテルがあるスキッドロウという区域の過去と今
- 当時捜査に当たった元LAPDの回想
と大きく3つに分かれております。
なぜエリサは失踪したのでしょう?
なぜこの失踪事件だけ、こんなにも長い間注目され続けるのでしょうか?
第一話「ロサンゼルスで失踪」ネタバレあらすじ
第一話が始まる前に。
事件の舞台となったセシルホテルの過去を、まとめております。
こちらを先にお読みになったほうが、120%楽しめるかも!?
>>【予習・セシルホテルの怖い過去】Netflixオリジナル『事件現場から セシルホテル失踪事件』
エリサ・ラムについて
失踪する前年2012年。
エリサはSNSのtumblerを日記のように使っており、日々の思いを綴っていました。
そこには高校生から大学生になった環境の変化や、恋愛や対人関係での自分の振る舞いに対する苦悩など、短い文章で気持ちを吐き出していたよう。
「(大学生になると急に大人扱いをされ)人生に求めるものはなにか、急に答えをせかされる」とつぶやき、「遠くにいきたい」と書き込みました。
両親は「毎日電話をすること」を条件に、娘を一人旅に送り出します。
サインディエゴに行った後、ロサンゼルスにやってきたエリサ。
宿となるセシルホテルには4日間滞在する予定。
エリサがリザーブされた506号室は女性専用の部屋。シャワー・トイレは廊下にある共用を使用。
行方不明になった日にエリサは、とある書店に出向いています。
その名も“The Last Bookstore”。
「旅行できているので、この書籍を持ち帰るのは無理だろうか?」と言葉を交わしていたので覚えていたと、店員さんはエリサが来店していたことをはっきりと証言しています。
その後セシルホテルへ戻り行方が途絶えるのです…
時を同じくして、イギリス・プリマスから若いカップルがロサンゼルスに旅行にやってきます。
長雨続きの地元とは違い、昼間はスコーンと晴れ、どこまでも続く白い砂浜に沈み込む夕日が美しいロサンゼルス。
二人は憧れの地へ2週間の旅を決めました。
セシルホテルに到着したカップル。
壮観でクラシカルなエントランスに心奪われますが、案内された部屋はまるで反対。
部屋は汚く、ホコリまみれ。しかもカーペットはベタつきがひどく、歩くたびに足裏がひっつく有り様…
カップルは旅行費が安かったこともり、「ホテルには寝るためだけに帰るだけ」と割り切りホテル周辺の散策に出かけます。
時差の関係もあり、道に迷ってしまった二人。
道を訪ねた人々にホテルの名を告げるたび、怪訝な表情をされます。
不思議に思い始めたやさき、ある一人がついに口を開くのです。
あそこのホテルで今日現在、1人の行方不明者がいることを…
(このカップルは滞在時ホテルのシャワーを利用していたはず…ギャーーー)
スキッドロウという地域の過去と今
今回、エリサと同じく主人公のセシルホテル。
厳密にはスキッドロウという区画に位置しています。
地図の赤枠で囲まれた比較的小さな一区画です。
1919年、好景気に沸くロサンゼルスに人々が流れ込みます。
そんなロサンゼルスで、セシルホテルは1924年に開業。
当時にしては大金の100万ドルを資金に。700に登る客室を誇る大型ホテルでした。
しかし、いわゆる高級ホテルではありません。
1ブロック先に当時あったパシフィック電鉄駅は、乗客数が1日10万人。
ホテルは彼らを大歓迎しました。
1920年半ばには、時代に合ったホテルでしたがバブルが崩壊。
株価は崩落、工場は閉鎖、会社は倒産。国中が失業状態でした。
その煽りを受け、1930年初頭のセシルホテルは落ちぶれた有り様。
そうなるとホテルの客層は、可能な限り安い料金で長く滞在したい老紳士たちが主となります。
カラーテレビがあり、しかもすぐの角にはお酒販売店。
安宿になったホテルでは、薬物売買、売春、強姦、窃盗など犯罪が多発していたそう。
1970年代。
市はある計画を練ります。それは文字通り、封じ込め政策です。
LAPDは路上生活者・精神病患者や犯罪者がスキッドロウ区外へ出ないよう、なんとバリケードを張り巡らせます。
まるで街中の悪事をスキッドロウに押し込めているようだったと回想する者もいたほど。
しかもスキッドロウ内は無法地帯で何でもありの状態。
人々の苦痛が看観され、それが犯罪となってあらわれる。
歩いているだけで命を奪われかねないという凄まじい状況だったようです。
そのスキッドロウの姿は今も変わっていません。
「路上で見かけた彼らは、あきらかにそこで生活をしているのがわかった」
先程のイギリス人カップルも理想とは程遠い、ロサンゼルスの現状を知ることとなります。
セシルホテルは、全米のなかでも指折りの危険な場所に位置。
その周りには、今でも8,000〜1万人の路上生活者がいるのです…
人員が不足したLAPDの失態
旅行期間中、毎日あったエリサからの電話が途絶え、心配した家族が警察に届け事件が発覚します。
警察は当初、3つの可能性をあげます。
- 自らの意志で消えた
- 迷子
- 何かに巻き込まれた
2月1日に、警察はエリサが宿泊していた部屋に入ります。
私物はキレイに収められており、ノートパソコン・処方された薬・財布などもそのまま。
部屋全体も荒らされた様子は全くなく、薬物使用の形跡もみられません。
この状況をみたティム(当時の担当刑事)は、直感的に「まずい結末になるかもしれない」と予感したそう。
とにかく目撃証言をえるため、ホテル従業員や周辺の聞き込みをしますがコレといった情報は得られず…
ホテルが設置している監視カメラも、エントランス・エレベーター内やロビーなど共用スペースのみ。
くしくもエリサが宿泊していたフロアにもカメラはありませんでした。
警察はすべての監視カメラをチェックするため、1日20時間ホテルの事務所に缶詰状態。
そしてついにエリサの姿を発見するのです。
警察いわく、エリサの行動は”unusual(普通じゃない)”。
しかし生存時間の判明で、失踪の糸口が掴み始めます。
それは、エリサはまだホテルにいるということ。
なぜならエリサが、ホテルから出ていく姿がどこにも映っていなかったのです。
ホテル従業員にすべての客室の鍵をもたせ、ひとつひとつ確認していく警察。
当時の総支配人・エイミーは、
「部屋だけでなく、ホテルのあらゆる空間を探していた。ゴミ回収の時間を聞かれたときには、”やめてよ!エリサがゴミ集積場にいるってこと!?”とショックだった」
とその様子を語ります。
警察犬も出動させると、なんと廊下の西側外窓の外に反応。
そこには非常階段がありました。
↓こんな感じの階段ですね。
念の為屋上に登りましたが、警察犬は反応を見せず。
捜査に行き詰まっていたこのとき、不運にも元LAPDによる現役警官への発砲事件が勃発。
これはLAPD内では「謀反」になるため重罪。
そちらの犯人逮捕に18人中16人の人員が持っていかれ、なんとエリサ失踪事件は2人で行うことに。
あきらかに戦力がおちた捜査力をおぎなうため、ティムたちはあの”不審なエリサが映るエレベーター動画”を公開します。
治安の悪い地域にあり、不審者も多くし利用したホテルからの失踪。
そして「死亡」を予想させる失踪者の部屋の状況。
エレベーター内でのエリサの普通じゃない行動。
この状況から警官は動画を公開し、市民からの目撃情報をひろく集める予定だったのです。
エリサの失踪から13日。
この動画公開は思わぬ波紋をひろげます。
エリサのエレベーター内での不審な行動は話題を呼び、あらゆる推測が飛び交いはじめたのです。
市民には、
いわく付きホテルからの失踪。
エレベーター内でのエリサの不思議すぎる行動。
それが引き金となり、警察の思惑からはずれ、驚異的な関心の的になってしまうのです。
だれもがその謎解きに夢中になったのでした…
〈つづく〉
↓目次のかわりです